In vitro 眼刺激性試験(Vitrigel®-Eye Irritancy Test(EIT)法)

眼刺激性試験

眼刺激性の評価には従来、ウサギの眼に被験物質を滴下して、障害の程度を観察する動物実験(ドレイズ試験)によって行われてきました。Vitrigel-Eye Irritancy Test(EIT)法は、動物実験の代替法試験として、追加の試験を実施せずに、UN GHSが定義した眼刺激性(区分の分類は不可*1)または重篤な眼損傷の分類及び表示を必要としない(UN GHS区分外)被験化学物質を同定することができるin vitro試験法です。 角膜の表面にある上皮層は上皮バリア機能を持っておりますが、眼刺激性のある化学物質が眼に触れると、上皮バリアが破壊され、障害が引き起こされます。 上皮バリアの健全性を簡便に評価する方法の、経上皮電気抵抗値(TEER値)を測定することで眼刺激性の判断を行う試験となります。なお、本試験はOECD TG494に準拠して実施します。

ボゾリサーチセンターは本試験の国際バリデーション研究の一員です。(*2*3)

*1:UN GHS区分では区分1、2A、2B,及び区分外(偽陽性)のいずれでもある可能性も含む。
*2:Vitrigel-EIT Validation Management Team (2017):Validation Study of the Vitrigel-EIT method as an alternative to in vivo eye irritation testing Study Report, Version 2.0
*3:Vitrigel-EIT Validation Management Team (2014):Study plan for the validation trial on Vitrigel-EIT as alternative to eye irritation testing, Version 4

■試験条件

  • 使用細胞
  • HCE-T細胞(不死化ヒト角膜上皮細胞)

  • 使用部材
  • 角膜モデル用培地(製造会社:関東化学株式会社、製品番号:25997-96)
    ad-MEDビトリゲル®(製造会社:関東化学株式会社、製品番号:08363-96)
    経上皮電気抵抗(TEER)測定装置(製造会社:関東化学株式会社、製品番号:40226-97)

  • 暴露用量
  • 2.5w/v%

  • 対照物質
  • 陰性対照:生理食塩水
    陽性対照:塩化ベンザルコニウム
    参照試料:エタノール

    ■本試験法の適用範囲

    <以下に該当する被験物質は、本試験法から除外する>
    ・培養液に2.5%になるよう混合したときのpHが5以下の物質
    ・2.5%濃度混合直後と3分後の660nmにおける吸光度の差が0.1を超える物質

    フロー

    ■試験の流れ

    標準スケジュール 被験化学物質に対するモデル曝露後のTEERプロファイルの解析モデル

    ■刺激性の判定基準

    刺激性の判定基準

    ■よくあるお問い合わせ

    • 被験物質必要量
    • 最低0.5 g(適応範囲確認用+本試験使用)

    • 被験物質の溶解性について
    • 被験物質濃度2.5%になるよう培地を添加させた際に、溶解しない場合はボルテックス(1分)、超音波(20分以内)、加温(70℃以下)の順に実施を行い、溶解又は均一に懸濁している際に試験に使用できるものとします。

    • 試験期間
    • 約2カ月(スクリーニング試験、速報は実験開始から3週間程度)

 

<動物実験代替法一覧>

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